人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なり

慶應卒、山陰在住、一人暮らしニートの戯れ言

海外在住邦人オタクにはもっと人権があっていいと思う

昨今、「漫画村」「anitube」などの海賊版サイトの閉鎖が話題になっている。

一介のオタクとして、こういったオタクコンテンツを作り出すクリエーターや関係産業にお金を落とさないサイトにあまりいいイメージは持たないし、何より「お金を払わなくてもこういった資源にアクセスできる」っていう固定観念を持ってしまうのは少年少女にとって健全ではないと思う。小学生にプログラミング教える暇があったら、著作権とかをしっかり教育した方がいいとは思ったりする。

 

他方、こういった海賊版サイトを使ってしまう背景には、アニメが最速放送され、漫画の新刊がフラゲできるような環境にある都市部と、そもそもテレビ東京独立U局が映らない地方との機会格差ってのは否めないと思う。インターネット同時最速配信を実現した「ポプテピピック」がオタクを席巻して、以前よりは視聴チャンスが増えたとは言えど、公式配信をするNetflixAmazonプライムにお金を払うコストを考えると、不公平感は残る。同人イベントの交通費なんかと一緒だ。

 

ここでようやく本題に入る。

地方勢と都市部勢の機会格差、不公平さは既に述べたが、この論争のスタートラインにすら立てないオタクがいる。

 

海外在住邦人のオタクたちである。

当たり前だがグローバルな社会で世界中どこでも日本人が活躍している以上、日本人のオタクも世界中どこだっているはずだ。

 

かつての僕、そして今の僕の下のきょうだいは、中高生で一番オタクコンテンツを欲する時期に、そもそもオタクコンテンツを摂取するのが難しい海外で育った。

漫画やライトノベル(死語?)の新刊はアメリカだとニューヨークかロサンゼルス、ヨーロッパだとロンドンとか行かないと買えないし、

合法の日本のアニメがやってるわけもない。

 

さらに悪いことに、海外のサーバーからだと、基本的に日本発のオタクコンテンツの公式配信は全てシャットアウトされている。

当時あったニコニコの公式配信も海外からだと見ることができない。アメリカのNetflixでも日本のアニメは見られないはずだ。Amazon電子書籍でも見られない漫画が数多くあると聞く。

理由はおそらく文化的な価値観の違いがあろうと思う(日本は世界的に見て二次元幼少キャラの肌色描写の規制が極めて緩い国だ)が、海外からは公式オタクコンテンツが見れないという事実を知らない日本人は少なくないと思う。

 

とにかくそりゃ海賊版を使いたくもなるって話だ。いくら正規の視聴方法、購入方法で貢献したくても、その手段がない以上どうすることもできないのだから。

 

というわけで、海賊版サイトの規制にはもちろん賛成だが、同時に海外在住日本人オタクに人権を与えてください。頼む。