地方では高いレベルで芸術を嗜めない、って話
このブログでは、よく地方の機会損失について書いているが、特に娯楽の点においてそれは顕著であると思う。
オタクの地方民にとって、コミケやオンリーイベント、アイドルユニットのライブなどへの遠征はそれだけで大きな負担であるし、
それは一般アーティストのライブを見に行ったり、プロレスや相撲など回数の限られたスポーツの興行を観戦しに行く人とて同じである。
だが、今回特に指摘したいのは、いわゆる「芸術鑑賞」の点において、地方の人は都会の人、特に首都圏在住の人と比較して大きく機会に恵まれていない、と言えると思う。
しばしば、上野の美術館で大きな展覧会があり、行列ができたことがSNSやマスメディアで取り上げられることがある。
近年だと北斎展は大きな話題になったと記憶している。
上野以外でも、今は六本木でルーブル展をやってたり、ちょっと前には目白だかのアトリエで春画展をやってて人が殺到してたりと、常に東京ではどこかで美術展をやっている。
また、落語の寄席や歌舞伎などの演芸に容易に触れられるのも大きいと思う。
都内には寄席が何軒もあり、ほぼ毎日公演をやっている。
歌舞伎も公演は毎日とは言わずも毎月途切れることはない。
東京の人間は、SNSで話題になっていたりすると、会社帰りや週末にふらっと美術展や寄席や歌舞伎に立ち寄れるのだ。わざわざチケットを仕立て、宿を手配し、しっかりと準備することもない。帰りがけにスーパーに立ち寄る感覚で、最先端の芸術に触れられるのだ。
これは地方に来ないと気がつかなかった、実感できなかった、大きな地方と東京の格差だと思う。